不倫の芝は青く見える

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配偶者のいる相手と不倫をすると、さまざまな障害が大きく立ちはだかってきますが、恋人がいる相手の場合は、かなり状況が異なってきます。

法律的には、まったく制約がない。

社会的にも、派手な三角関係になれば、周囲の人たちが話題にする程度で、それ以上の問題になることはありません。

自由競争の場です。

相手の恋人には相手についての情報が十分にあり、相手とすでになじんでいるという強みがあります。

しかし、それは相手との関係においては、弱みになる可能性もあります。

始まったばかりの関係でなかったら、惰性的になっているかもしれません。

そうなると、目新しさや新鮮さを売り込む余地はあります。

人間は誰でも、目新しいものには興味があります。

好奇心をかきたてられて、どんなものか近くに寄っていって見たいと思う。

したがって、現在の恋人から相手を奪って自分の恋人にしようと思ったら、その現在の恋人の研究をするのが先決問題です。

そのうえで、その人にはなくて自分が持っている個性を、できるだけ強調していきます。

積極的に出る姿勢に徹しないと、自分のほうに引き寄せることはできない。

新たな客先の開発と同じです。

相手はすでにほかのところから仕入れる継続的な関係があります。

その納入先から買うのをやめて、自分のところから買ってもらおうとするのです。

従来の納入先も必死の抵抗をする。

それよりも品質において優れ、価格にも競争力がなくては話になりません。

従来の恋人よりも有利なのは、相手が自分についてすべてを知っていないという点です。

すなわち、隣の家の芝生は青く見えます。

相手は従来の恋人についてはよく知っているが、新たに目の前に現れた人についてはあまり知らない。

それだけに魅力的な点が、増幅されてさらに魅力的に見えます。

現実よりも美化しようとする傾向があるからです。

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