同棲同然、夫婦同然になっていて問題がないようであれば、幸せな不倫といえます。
それだけ自由であることはめったにないからです。
しかしこういう生活は往々にして、独身女性の部屋を中心に行われていることが多く、特に何回かの結婚を交わしたのちに男が転がり込んでくる形が一般的です。
しかしこの形式は最初のうちこそ、一種の疑似夫婦生活を営むものだけに、女性にとって新鮮で心楽しいものですが、そのうち男は必ずわがままになると同時に、結婚つきのセカンドハウス視していくのがオチです。
なにしろ高いお金を出して軽井沢に別荘を買ったとしても、そこに女を連れ込める男は少ないでしょう。
それが会社の帰りに、比較的小ぎれいな部屋と結婚を待ち望んでいる女性がいるのですから、いっときは天国のようなものです。
その女性が自分を常に待ち望んでおり、ときにはアパート、マンションのキーまで預けてくれるのです。
性欲が高まれば、いつなんどきでも訪れて快楽の淵に沈むことができるとすれば、男は自由奔放になるうえに、命令者になることさえできます。
また女性のほうも、憧れの上司や医師を恋人にしたことで、愛をどんどん注ぎ込みます。