■招待客への挨拶
一方、客に挨拶を受けた主催者側は、「ありがとうございます」と答えて、ていねいにおじぎをするのが礼儀です。
なかには、主催者にとってたいせつな客や珍しい客が来たからといって、主催者のひとりが、「お忙しいところをよくおいでくださいました。さあ、どうぞこちらへ。・・・」などといって、列を離れ、みずから、奥のソファーなどへ案内したり、列から離れて、立ち話をはじめたりする人もありますが、これはひとりの客だけを特別扱いにするもので、ほかの客に失礼にあたります。
「お忙しいところをようこそおいでくださいました。ご挨拶は、のちほど。・・・」というように挨拶して、客をやり過ごし、全部の客が来るまでは、絶対に列を離れないようにするのが正しいエチケットです。
■待合室での歓談
招待された客が主催者側と挨拶を終わって、待合室のなかへすすむと、ソファーやアームチェアなどの椅子とカクテルテーブルがあちこちに置いてあります。
しかし、椅子の数は、招待客の数より少ないのが普通ですから、老人や婦人以外は、なるべく掛けないようにします。
待合室では、開宴までのあいだ、客同士、自由に歓談してよいのですから、先客のなかに知人がいたら、そこへいって挨拶したり、歓談したりします。
また、晩餐会形式の披露宴では、客がだいたいそろうと、ウェイターがカクテルを大きな銀の盆にのせて、客のあいだをすすめて回ります。
これは、食欲を喚起する目的で食前に飲む酒、いわゆる食前酒ですから、好みのカクテルをとって、その味をたのしみながら、歓談し、開宴を待ちます。